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除染でサヨナラ ブログトップ
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『本当に最後の花リレー』 除染でサヨナラ最終回 [除染でサヨナラ]

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半壊した土蔵の跡地にバーベナとカモミールが沢山の花を咲かせました。
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嫁様がわずか一握りの苗から、数年がかりで一面の花畑にまでしてしまったコスモスは新しい小さな芽がいたる所から顔を出しています。
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毎年この季節から秋まで庭のあちらこちらには、実に様々な花たちが咲き続けます。 雑草の刈り払いの休憩に木陰で休むと何処からともなく風にのって花の香りがしてきます。 この家に越してきて本当に良かったと感じる沢山の瞬間の中のひとつでした。 

2011年3月に起きた福島原発事故の後、完全に放置状態だった我が家の庭。
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数週間前の計測で庭の放射線量の平均値は大体0.7マイクロシーベルト。 それより低い所もありますが、高い所もあります。(ちなみに家の周辺、特に雨樋付近はそれ以上。) かなり下がったとはいえ、ジッとしゃがんで草むしりを楽しめる環境ではありません。 放射線量を下げるには庭の表土を剥ぐ必要があります。 球根や根っこを地面近くで育て、来年芽を出す可愛い花達を生かす術はありません。
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表面近くに根をはる木々も刈り取るしかないでしょう。 そして、ご先祖様の代から大事にしてきた老木達も放射線量を下げるには、ある程度枝を落とし、幹を洗浄し表皮を剥ぐ必要があるでしょう。 老体の木々達がそれに耐えられるとは思えません。

祖父母が無くなった後、空家となっていたこの家に、わが家族が越してきたのは8年前。 定期的に庭師さんに剪定してもらっていたとはいえ、小さい頃遊んだ”おじいちゃん家のお庭”の面影はありませんでした。 

そんな荒れ果てた庭をひたすら地道に手入する日々が続きましたが、一生ここに住むつもりだったので頑張ることができました。 嫁様が遠い将来を見据えて庭・敷地のあちらこちらに植えたり蒔いたりした木々・草花の数は計り知れません。 クローバーと闘いシマ蚊に刺されながら、5年がかりで再生した芝生や真夏に大汗かいて家族総出で拵えたロックガーデン。
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毎朝庭に出て日々の変化を眺め、野鳥と語らうのが最高の幸せでした。

そんな楽しい思い出がいっぱい詰まったお庭がこれ以上荒れて行く様を見続けることができません。近くの神社にお祓いをしていただき、庭のすべてを処分することに決めました。 


話は少しさかのぼりますが原発事故の数年前、手に負えないほど大きくなってしまった庭のヒマラヤ杉などを伐採した際、私は木々に宿ると言われる精霊の存在について信じざるを得ないような出来事を経験しました。

その時も神主さんにお祓いをしていただいたのですが、伐採前日の夕方に庭に挿し、当日の朝に神棚に上げるようにと”ご幣束”を受け取りました。 そしてお祓いの後、伐採の日まで少し日があきました。(それにも色々とあるのですが割愛させていただき・・) 伐採が決まった前日の夕方、暗くなってきた庭を眺めていたとき、ご幣束の事をすっかり忘れていたことに気が付きました。 あわてて庭に出て、言われたあたりに挿して部屋に戻り、またボンヤリと庭を眺めていました。 景色が変わったのはその数分後です。

それまで穏やかだった天気が一変し、玄関の木枠の窓がガタガタいうほど強い風が吹き始めました。さらに、雪が降り始め、粉雪が真横に吹き飛ぶ猛吹雪となりました。30分くらい続いたでしょうか。やがて、風もおさまり雪も止み、空には星が輝く穏やかな庭に戻りました。
翌日の伐採は無事終わったのですが、最終的に担当することになった大工さん(ご本人は気付いていませんが”見える方”)の表情は見たこともないほど険しく、私自身も何か庭全体がザワついたような印象を受けました。


今回、伐採することが決まった庭を歩いていても以前経験したような”ザワつき”は全く感じません。むしろ、とても静かな深い森の中にでもいるような、そんな気持ちにすらさせられます。最後の思い出にとカメラを持って庭に出ましたが、なかなか撮ってあげる気力が湧きません・・。
蔵があった頃はこの角度から見ることができなかったモクレン。
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いままで見た中で一番キレイです。
写っていませんが、その奥にある2株の紫陽花。最後の花を見てあげることができませんでした・・。

庭の奥を歩いていて感じるのは、なにか不思議な静けさで木々や草花達はもうとっくに自分たちの運命を悟っているような、それでいてとても輝いて見え・・・みんな笑顔です。なんだかもう泣けてきます・・
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日々の楽しみ、癒やし、そして色々なことを教えてくれた庭の草花・木々達。
いままで本当にありがとう。
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福島原発の事故により、多くの方々が失ったものは想像もつかないほど大きすぎます。

いまでも原発再稼働・原子力発電に賛成されている方々の心に少しでも触れるところがあれば、このブログを続けていた価値があったのかと思います。


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除染でサヨナラ 第7回:コスモス畑 [除染でサヨナラ]

「東京電力 福島第一原子力発電所」が放射能漏れ事故を起こす前・・
毎年この時期といえば、古民家ごと飲み込まんばかりのコスモスの大波が押し寄せ、奥の部屋からは一面のコスモス畑を楽しめる最高に幸せな秋の始まりでした。
ito-20120919.jpg2009年9月撮影
このコスモス畑はまだまだこれから大きくする予定でした。
これまでかけた時間と愛情はお金になど換算したくもありません。

花が終われば、出来た種を翌年のために蒔き、少しずつ広げていったコスモス畑。
今は雑草に占拠され、やむなく除草剤をまいているので、ほとんど花は見当たりません。表土を剥げば大量の汚染土が発生するわけですが、いまだ処分地すら決まらない現状ではどうにもしようがありませんね。

放射能漏れ事故から1年と6か月が過ぎましたが、わが家の状況は何も変わっていません。”順番に除染するのでお待ち下さい”とのことなので、静かにその時をお待ちしております。今のペースだと10年くらい先になるんでしょうかね。 それまで、どのくらい放射能被曝するんだろう・・。 これって人体実験ではないんですよね?。

本当に思い返せば思い返すほど、福島原発事故により失ったものはあまりにも多く、大きすぎます。

除染でサヨナラのコスモス畑、写真に撮っておいて良かったな・・。


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除染でサヨナラ 第6回:ブルーベリー [除染でサヨナラ]

2006年の3月。
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畑に2本のブルーベリーの苗木を植えました。
この年は本格的に畑に取り組んだ最初の年で、希望に燃え色んなことにチャレンジしていたのを、写真を眺めながら思い出しました。

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年々収穫量も増え、念願のジャムを作るためにもう1本植えようかなどと考えていましたが、まさか福島原発が爆発して放射能漏れ事故が起き、わが家の畑・庭が放射能物質に汚染される・・なんてことは考えもしませんでしたね・・。

そして、雑草畑となった荒地の奥で完熟のブルーベリーを食べている野鳥たちは大丈夫なのか・・。


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除染でサヨナラ 第5回:アガパンサス [除染でサヨナラ]

「福島原発事故前」の古民家の日々この時期は、早朝お庭の花を楽しみながらブログに載せる花リレーの写真を撮るのが日課となっていました。

そんな楽しい日々はもう来ないであろうと思うと本当に寂しいですね・・。
野山の除染作業にほぼ等しいであろうわが家の除染が限りなく困難であることは、一般住宅の除染が思うように効果が上がらないのを見ていれば容易に想像ができます。 年間被曝線量を年間1ミリシーベルト以下のレベルまで下げるには、庭の表土と植物を全部取り去っても難しいであろうことも・・。 除染でサヨナラの最終回は母屋でしょうかね・・。

仕事部屋の窓から眺めると蛍光色の花火のような「アガパンサス」。
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本当にキレイ、でした。
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間違いなく、除染でサヨナラ・・。

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タグ: 除染
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除染でサヨナラ 第四回:バラ [除染でサヨナラ]

福島第一原発事故で放出され、わが家の庭にも降り積もった放射性物質除去を除去するためには庭の土を剥ぎ取らねばならず、大事に育ててきた庭の木々・花たちもすべて刈り取らなくてはなりません。古民家の日々の楽しみのすべてといっても過言ではない庭のすべてを失うこの悲しみ・・。

涙なしでは綴れない、シリーズ「除染でサヨナラ」の第四回目。

この家に越してきた当初から嫁様が思い描いていたバラのあるお庭。日々カタログを眺め、数ある品種の中から迷いに迷いようやく決まった好ましき2つの株がわが家へ到着したのは2006年。右側は棕櫚に絡ませた蔓バラですね。
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鉢の後ろには畑に植えるトウモロコシなどの苗を育てるポットが置かれていますが、この当時は地面に芝の形跡がまだまったくありませんね・・。

わが家にきて最初に咲かせた花の何といえない淡い香水のような香りは忘れることはないでしょう。
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虫が付きやすく、ひ弱な彼女を守るため嫁様が考案したオリジナル虫よけ剤など、手のかかるバラちゃんとの楽しかった日々が昨日のことのように思い出されます。
雑草に囲まれながら、今も花を咲かせているバラちゃん。 本当に”さよなら”しなくてはいけないのでしょうか・・。 のんびり・ゆっくり進んでいる除染作業の順番がわが家に回ってくるのはおそらく来年以降。 まだ、サヨナラは言わないでおこう・・。




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